2016年6月 二度目の訪問 〜 ぴいすけさん 〜

人生2回目のエコビレッジと言う事で、今回もたくさんのインスピレーションと気付きを得たので文章にまとめてみたいと思います。

 
まだ感覚的、フォトジェニック的な描画しかできていなくて、深く自分の中に落とし込めてないことの方が多いのですが、言語化してみようと努力する中で見えてくるものもあると思うので文章にしてみたいと思います。

 
1. Welcome home
2. エコビレッジとスタートアップの合理的な関係
3. 朝4時の鼓動

1. Welcome home
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next new age

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前回この箱根エコビレッジを訪れてからちょうど1ヶ月ほどが経とうとしていた。前回は「ゴールデンウィークに修行したい!」と言う僕のワガママなリクエストを、エコビレッジ仲間たちが応えてくれてエコビレッジに招待してもらった訳だけど、
1ヶ月ぶりに訪れた箱根は、新緑の緑がより一層深まり、先月僕がInstagramのフィルターでバイアスをかけたくらいの緑になっていた。緑は深みを増すと、どこか怪しさを感じる。そして静寂ささえも。
そんな緑が生い茂るトンネルを抜け、山道を数分歩いてエコビレッジに到着した。何を仲間と定義していいのかはわからないが、一般的な仲間同士の相互承認よりは、おそらくもっと硬いなにかで結束しているコミュニティへ。
合言葉は「Welcome home」

 

 

 

 

 

2. エコビレッジとスタートアップの合理的な関係
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前回は視察を兼ねてエコビレッジキャンプに参加した訳だけど、前回から今回までのこの1ヶ月間は、
僕の中で咀嚼して自分のフィルターにかけて僕自身のキャリアやこれからの生き方と相違はないか?そして、このエコビレッジから始まる未来はどういう未来か?そのマーケットの可能性は?をしっかりと見極める期間だった。
その見極め(フィジビリティスタディ)の結果、(あえて抽象的に表現すると)かなりイケてる!と思ったので今回も参加した訳だが、
この箱根エコビレッジと、熊本のエコビレッジ「サイハテ」を運営し、インテンショナルコミュニティの啓発と普及に努めるスタートアップ「REV.org」も立ち上がった事だし、
僕も僕でそういうスタートアップを支援する仕事をしてる訳だしと言う事で、今回は彼らのディスカッションにも参加させてもらった。
そのディスカッションの内容は形になってから共有するとして、彼らが描くビジョンや思想、そしてその手法はこれまでの資本主義の盲点を突くようなものばかりで、とても刺激を受けた。
働くことの意味がそもそも違いすぎるし、その前提にある「生きる」と言うテーマに対する掘り下げがとても深く、いろいろと考えさせられるきっかけにもなる。
彼らの思想(主張?)は「誰もが助け合い、お金がお金を作り出すような社会から逸脱すれば、資本主義のシステムに頼らなくても生きていける。」ざっくり言い換えるならば「お金を稼ぐために働くのではない、生きるために働くのだ。」と言うのが、彼らの思想の根本だ。
ここだけを切り取って聞くと、働く事から逃げている、もしくは働くことを軽視している楽観主義者のように思われるかも知れないが、
お金を稼がずとも生きていけると言う概念は、ベーシックインカム的な発想であり、彼らが言う助け合いとはスキルシェアを中心としたシェアリングエコノミーと言い換えることもできる。
ものは言い様と思われるかも知れないが、彼らがこれまで実践してきたことをマーケットが形容し始めたこの状況を「時代が追いついた」と言わずしてなんと言い表せばいいのだろうか。
加えて、健康に関する幅広い知識、ヨガやマインドフルネスと言った療法の実践、郷土に根付いた歴史の博識さ、その土地土地のローカルビジネスへの精通など、今の日本が求めているコンテンツの最前線に彼らはいる。
現在、熊本のサイハテと言うエコビレッジはクラウドファンディングでの調達も完了させ、新しいステージに向かおうとしている。詳細については下記のページをチェックしてほしい。
https://local.camp-fire.jp/areas/KUMAMOTO/SAIHATE
ここでひとつの疑問が頭をよぎる。
それは”資本主義を反対する彼らのモチベーションや、自発性はどこから来るのか?”という疑問だ。
今回僕はディスカッションの中で、「資本主義とは、人が熱狂するための最も合理的なシステム」と説いた。
資本主義とは、頑張れば頑張るだけ成果が賃金という形で還元され、それによってさらに自分の視野が広がり次のステージが見つか……と、自分で書いててもアホらしく思うが、資本主義の幻想とはそんな具合だ。
ただこれらは、オーナー側が都合よく作り出した理論であり、よっぽどその仕事が自分のキャリア、人生、やりがい、精神的な健康、それらとFitしていない限りは、時間を組織に売っているだけに過ぎない。時間を組織に売るという事は人生の大半を組織に預けていると言う事であり、限られた人生の中でやりたい事のベスト3くらいがその仕事によって満たされないのであれば、そんな仕事は辞めた方がいいと冷静に思ってしまう。
そんなロジックを知ってか知らずか、彼らは資本主義システムの中で働く事は時間の浪費であり、本質的なやりたい事以外の仕事はやるべきではないと語る。(少し極端に言うと、もっと繊細なニュアンスがあるが。)
そんなワガママな!とか、そんな事ができればすでに実践している!と、ブーイングの声が今にも飛んできそうだが、
エコビレッジのこの状況は、「資金調達を成功させたあとのスタートアップ」と似ている。通常スタートアップは、よっぽどの資本金を持ってスタートしない限りは
スケールする事業と、スケールする事業をやるためのランニング事業の2つの事業を同時並行する事を余儀なくされる。
なぜスケールする事業だけをやらないのか?答えは簡単、ほとんどの場合スケールする事業を収益化するには時間がかかり、その間ランニング…走る事をやめてしまうと、お金がなくなって生きていけなくなるからだ。
その点エコビレッジは、ベーシックインカムにも似た構造がすでに出来上がっていて、自分たちがやりたい仕事に没頭する環境が整っているのだ。その環境に加え、何にも縛られる事のない広大な自然と、やりたいことに没頭できる環境。
もし君が創業前のスタートアップで、オフィスの固定費や役員の人件費が…と言うスケールの小さい悩みでつまづいているのだとしたら、今すぐに熊本サイハテに行き、自分の事業に没頭しよう。もちろんコミュニティの中でお互いを助け合いながら。

 

 

 

 

 

3. 朝4時の鼓動
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昨夜はそんな議論を深夜まで繰り広げていた。時間は午前1時半。そんな時間に眠りについたと言うのになぜか今朝は朝の4時に起きた。
普段ならそのまま2度寝をしていただろうか、だがしかし今日は目がしっかりと開き、頭が冴えていた。
大げさな表現かもしれないが、野生の鼓動を…確かに感じたのだ。
その鼓動の高鳴りに導かれるように、広場へ足を運ぶ。少し薄暗い足元に注意を配りながら、山の中にできた小道を進む。
オーケストラの指揮者が指揮棒を振り始めたかのように、一斉に森中の鳥たちが鳴き始め、
朝露でやわらかになった根っこを踏むと少しだけ沈んだようにしなった。
木々は登る太陽の光を今か今かと待っているように静かに眠り、澄んだ空気は僕の五感をいとも簡単に開花させる。
“それら”を贅沢に体内に取り込む。深呼吸をすればそれらを一度に取り入れることができて、ただただ自然を享受する。抗うことなどせずにただただ受け入れる。
1日の始まりとはこれほどまでに壮大で、神秘的なのかという事を改めて再確認した。
その神秘はこれまで何万年、何億年と繰り返されて来たと言うのに、その神秘から離れて都会のフィルターをかけ、人工的に作られたマインドセットが本物の自分の健康的なマインドだと錯覚して来たのだとしたら、
僕は1日と言う人生の重みを再定義する必要がある。


そんな訳で、エコビレッジに対する期待感が個人的にもビジネス的にも広がった1日でした。
Special thanks

ぴいすけ

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